複数の要素から構成されるポリライン、寸法、ハッチング、ブロック等を分解、二分割、部分削除を参考例で説明、図形の構成を修正する基本コマンドをマスターする AutoCAD 入門の手引き。
ポリライン、寸法、ハッチング、ブロックなどは、複数の要素から一つのオブジェクトに構成されており、単一要素の線色、線種変更、削除、移動に困ることがあります。
そのような単一要素の線色、線種変更、削除、移動には、複数から構成されるオブジェクトを分解コマンドで単一要素に変換することで解決できます。
分解コマンドは、[メニューバー] ⇒ [修正(M)] ⇒ [分解(X)]から選択。
コマンド:explode
分解コマンドを使用すると、ポリライン、寸法、ハッチング、ブロックなどのオブジェクトに関連付けされたすべての属性が失われ、線分、文字、点、塗り潰しなどは単一要素になります。
ブロック分解 参考例
修正メニューより分解コマンドを選択。
ブロック図形を窓選択して右クリック[Enter]。
(※図①では窓選択していますが、直接、ブロック図形をクリック指定できます。)
分解されるとブロック図形は、単一要素に変換されているのがクリップ状態でわかります。
コマンドウィンドウ
コマンド:_explode
オブジェクトを選択:点aをクリック
もう一方のコーナーを指定:点bをクリック
認識された数: 1
オブジェクトを選択:右クリック[Enter]。
ブロック図形は、直接クリック選択するか、僅かな窓選択により指定できます。(図②-A)
分解されたブロック図形は、個々の要素になるため、選択範囲の指定も変わってきます。(図②-B)
分解するオブジェクトの種類(※ポリライン、寸法、ハッチング、ブロックなど)により、線色、線種、線の太さは設定された要素に変換されます。
点で部分削除
オブジェクトを選択し、指定した一点でオブジェクトを2つに分割します。(図③)
部分削除は、[メニューバー] ⇒ [修正(M)] ⇒ [部分削除(K)]、または、[ツールバー] ⇒ [部分削除]から選択。
コマンド:break
線を切断する便利なコマンド。
点の部分削除は、一点目の切断はオブジェクト選択時、オブジェクト上の最も近い点となり、次に指定した点が二点目の切断点になります。
図③では、長方形の交点が一点目で、クリック選択時が二点目の切断点。
線分を選択すると、クリップの状態で切断されているのが判断できます。
部分削除
オブジェクトを選択し、部分的に削除する二点を指定して削除。(図④)
部分削除は、一点目の切断がオブジェクト選択時、オブジェクト上の最も近い点となり、次に指定した点が二点目の切断点となります。
このような部分削除では、作図上不都合な場面がでてきます。
オブジェクト選択時に、一点目の切断を指定しない時、コマンドウィンドウで、【部分削除する 2 点目を指定 または [1 点目(F)]:】表示の時、f 入力で 1点目に変更します。
直線の部分削除 参考例
コマンドウィンドウ
コマンド: _break オブジェクトを選択:直線をクリック選択。
部分削除する 2 点目を指定 または [1 点目(F)]: f[Enter]
部分削除する 1 点目を指定:a点をクリック指定
部分削除する 2 点目を指定:b点をクリック指定
直線の二分割 参考例
部分削除なしで オブジェクトを二分割するには、2点目指定時に @ と入力します。(図⑤)
コマンドウィンドウ
コマンド: _break オブジェクトを選択:直線をクリック選択。
部分削除する 2 点目を指定 または [1 点目(F)]: f[Enter]
部分削除する 1 点目を指定:a点をクリック指定
部分削除する 2 点目を指定: @[Enter]
円の部分削除 参考例
円の部分削除は、一点目を指定した後、反時計回りに二点目を指定。
円の下部分を削除(図⑥)
コマンドウィンドウ
コマンド: _break オブジェクトを選択:円をクリック選択。
部分削除する 2 点目を指定 または [1 点目(F)]: f[Enter]
部分削除する 1 点目を指定:a点をクリック指定
部分削除する 2 点目を指定:b点をクリック指定
円の下部分が削除されます。
円の上部分を削除(図⑦)
円の上部分を削除するには、一点目と二点目の指定点が左図のようになります。
反時計回りに部分削除されているのが判断できます。
部分削除は線、円以外にも、楕円、円弧、スプライン、ポリラインを2つのオブジェクトに分割、または部分的削除することができます。
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