CAD作図を学びたい方に AutoCAD LT の作図コマンド、斜線、水平線、垂直線、連続線、四角形など、作図効率を上げる線分作図コマンドの説明、AutoCAD LT の、線分作図を習得することで、建築、電気設備から製造機器、電気製品などの図面も作成することができます。
AutoCAD LT の線分、長方形は、CADにおける基本的な作図。
線分、長方形の作図コマンド使用には、メニューバーの[作成(D)]よりコマンドの選択、ツールーバーのアイコンから選択、コマンドウィンドウにコマンドを直接入力する等の方法があります。
線分
線分コマンドは、[メニューバー] ⇒ [作成(D)] ⇒ [線分(L)]から選択、または、ツールーバーのアイコンより選択
コマンドウィンドウ
コマンド:line、短縮は、l (エル)
コマンドのキャンセルは、[ESC]キー。
戻る
※ 戻るは、標準ツールバーの元に戻す。
コマンドウィンドウ
コマンド:undo
undoコマンドを1 回ずつ実行すると、コマンドウィンドウに前のコマンドに1回ずつ戻って表示される。
※(L)左クリック・・・free(任意点)、(R)右クリック・・・Enter(確定)、
※(R)右クリック・・・Enter(確定)は、AutoCAD LT 右クリック設定で、コマンドが実行されている時の右クリック機能で、[Enter]キーを選択しているものとします。
参照:AutoCAD LT カスタマイズ 設定:右クリック設定
水平線、垂直線の作図
水平線、垂直線から自由な斜線の作図は、ステータスバーの直交モードボタンをクリックすることによって切替えします。
水平線、垂直線の作図例
ステータスバーの直交モードボタンをクリックで直交モードON、点a、bの水平線。(図A)
ステータスバーの直交モードボタンをクリックで直交モードON、点C、dの垂直線。(図B)
ステータスバーの直交モードボタンをクリックで直交モードOFF、点e、fの自由な斜線。(図C)
free(任意点)での直線、水平線、垂直線の作図
任意の直線:図①-1
任意点Aで(L) ⇒ 任意点Bで(L) ⇒ 任意点Bで(R) 。
コマンドウィンドウ
コマンド:_line 1点目を指定(※線分コマンド選択時) ⇒ 次の点を指定 または [元に戻す(U)](※(L)で選択) ⇒ 次の点を指定 または [元に戻す(U)](※(R)で確定)。
任意の垂直線:図①-2
※OSNAPを左クリックでON、OSNAPを右クリックで設定を選択、端点、垂線、交点にチェック。
ステータスバーの直交モードをクリック選択でON。
任意点Cで(L) ⇒ 任意点Eで(L) ⇒ 任意点Eで(R)。
任意点Fで(L) ⇒ 線CE上で垂線SNAPで(L) ⇒ 線CE上で垂線SNAPで(R)。
コマンドウィンドウ
コマンド:_line 1点目を指定(※線分コマンド選択時) ⇒ 次の点を指定 または [元に戻す(U)](※(L)で選択) ⇒ 次の点を指定 または [元に戻す(U)](※(R)で確定)。
※ 直交モードをONにすると、水平、垂直線になり、OFFにすると自由な直線が作図できます。
任意の連続線:図①-3
ステータスバーの直交モードはOFF。
任意点Gで(L) ⇒ 任意点Hで(L) )⇒ 任意点Iで(L) ⇒ 任意点Gの端点Snapで(L) ⇒ 任意点Gの端点で(R)。
コマンドウィンドウ
コマンド:_line 1点目を指定(※線分コマンド選択時) ⇒ 次の点を指定 または [元に戻す(U)](※(L)で選択) ⇒ 次の点を指定 または [元に戻す(U)](※(L)で選択) ⇒ 次の点を指定 または [元に戻す(U)](※(R)で確定)。
AutoCAD LTで作図する線は、用紙の上をY軸方向としての水平、垂直線、方位Nに対しての水平、垂直線など、X、Y座標と角度による作図方法です。
AutoCAD LTに慣れない内は、作図ウィンドウとコマンドウィンドウを見ながら作図すると、コマンドの流れが理解しやすくなります。
AutoSnap 設定で、端点、中点、中心、点、四半円点、交点、垂線、接線などの点を捉えた正確な図形作図が可能。
AutoCAD LTで点を捉えた作図は、正確な図形を作図する上で重要、接点に隙間があるとハッチングなどの塗り潰しに影響するため接点は必ず閉じます。
AutoSnap 設定
コマンドを使用した線分ABを作図
コマンド:line、又は短縮で、l(エル)入力でEnter(確定)
_line 1点目を指定:100,100 ⇒ Enter(確定)X座標 100、Y座標 100として線分ABの開始点、A点を入力して確定。
次の点を指定 または [元に戻す(U)]:200,200 ⇒ Enter(確定)絶対座標、X座標 200、Y座標 200を入力、線分ABの終点としてEnter(確定)。
Enter(確定)で終了。(図②-1)
USCの原点を0,0として、線分ABの終点は、X座標、Y座標とも、開始点より+100の絶対座標です。
相対座標を使用すれば、X座標、Y座標の捉え方が簡潔になります。
相対座標の記号@を使用して、三角形を作図します。
コマンドを使用した相対座標による線分の作図例:
コマンド:line、又は短縮で、l(エル)入力でEnter(確定)
_line 1点目を指定:100,100 ⇒ Enter(確定)X座標 100、Y座標 100として三角形の開始点、C点を入力して確定。
次の点を指定 または [元に戻す(U)]:@100,0 ⇒ Enter(確定)X座標 100、Y座標 0として三角形のD点を入力して確定。
次の点を指定 または [元に戻す(U)]:@0,100 ⇒ Enter(確定)X座標 0、Y座標 100として三角形のE点を入力して確定。
次の点を指定 または [元に戻す(U)]:@-100,-100 ⇒ Enter(確定)X座標 -100、Y座標 -100として三角形の終点、C点を入力して確定。
Enter(確定)で終了。
※ 三角形の終点は、OSANPの端点も可能です。
図②-2の相対座標でのコマンド入力は、100,100 Enter(C点確定) ⇒ @100,0 Enter(E点確定) ⇒ @0,100 Enter(D点確定) ⇒ @-100,-100 Enter(C点確定) ⇒ Enterで終了 となっています。
図②-3の相対座標でのコマンド入力は、100,100 Enter(H点確定) ⇒ @-100,0 Enter(F点確定) ⇒ @0,100 Enter(G点確定) ⇒ @100,100 Enter(H点確定) ⇒ Enterで終了 となっています。
コマンドを使用した極座標による線分の作図
極座標は、@と<で入力し、@は長さ、<は角度です。
極座標の入力例:@100<60、長さ100、角度60゜となります。
コマンド:line、又は短縮で、l(エル)入力でEnter(確定)
_line 1点目を指定:100,100 ⇒ Enter(確定)X座標 100、Y座標 100として、線分ABの開始点、A点を入力して確定。
次の点を指定 または [元に戻す(U)]:@100<30 ⇒ Enter(確定)線分長さ100、角度30゜で、B点を入力して確定。
次の点を指定 または [元に戻す(U)]:@100<60 ⇒ Enter(確定)線分長さ100、角度60゜で、C点を入力して確定。
Enter(確定)で終了。図③-1
※ 現在、既定値の 0 度 は、時計 3 時方向で、角度の正の方向は、反時計回りで設定されていますが、時計回りにも設定できます。
角度方向の設定方法:メニューバー[形式(D)] ⇒ [単位管理(U)]。
[単位管理]ダイアログボックスの、[角度]より、[タイプ(Y)]:表記方法を選択、[精度(N)]:少数点以下の精度を選択、□時計回り(C):正の角度回転方向を選択(※既定値チェックなし、反時計回り)。
[角度の方向(D)]ボタンを選択、[角度の方向]ダイアログボックスより、角度の基準点(0゜)が選択できます。(※既定値は東、時計 3 時方向)
長方形
長方形コマンドは、[メニューバー] ⇒ [作成(D)]⇒ [長方形(G)]から選択、または、ツールーバーのアイコンより選択。
コマンドウィンドウ
コマンド:rectang 又は rectangle。
コマンドのキャンセルは、[ESC]キー。
長方形の作図例
長方形コマンドの選択(ツールーバーで長方形アイコン、または、コマンド:rectang)で、コマンドウィンドウに次のような指示がなされます。
一方のコナーを指定 または [面取り(C)/高度(E)/フィレット(F)/厚さ(T)/幅(W)]:任意のa点をクリック指示。
もう一方のコナーを指定 または [サイズ(D)]:任意のb点をクリック指示。
この時の[面取り(C)、フィレット(F)、幅(W)]の値は、全て0で、図④-1のA図が、作成されます。
長方形の面取り
一方のコナーを指定 または [面取り(C)/高度(E)/フィレット(F)/厚さ(T)/幅(W)]:C ⇒ Enter(確定)。
長方形の1本目の面取り距離を指定(0.0000):500 ⇒ Enter(確定)。
長方形の2本目の面取り距離を指定(500):500 ⇒ Enter(確定)。
一方のコナーを指定 または [面取り(C)/高度(E)/フィレット(F)/厚さ(T)/幅(W)]:任意のa点をクリック指示。
もう一方のコナーを指定 または [サイズ(D)]:任意のb点をクリック指示。
四辺が500で面取りされた長方形、図④-1のB図が、作成されます。
長方形の面取りのされ方
aが1本目の面取り距離。
bが2本目の面取り距離。図④-2
a、bの面取り距離は、次回の長方形作図に既定値として引きつがれますので、面取りが不要な場合は、a、bの面取り距離は、0にします。
長方形のフィレット
長方形コマンドの選択。
一方のコナーを指定 または [面取り(C)/高度(E)/フィレット(F)/厚さ(T)/幅(W)]:F ⇒ Enter(確定)。
長方形のフィレット半径を指定:500 ⇒ Enter(確定)。
一方のコナーを指定 または [面取り(C)/高度(E)/フィレット(F)/厚さ(T)/幅(W)]:任意のa点をクリック指示。
もう一方のコナーを指定 または [サイズ(D)]:任意のb点をクリック指示。
四辺が半径500の円でフィレットされた長方形、図④-1のC図が、作成されます。
長方形作図に既定値として引きつがれますので、フィレットが不要な場合は、フィレット半径を、0にします。
長方形の幅
長方形コマンドの選択。
一方のコナーを指定 または [面取り(C)/高度(E)/フィレット(F)/厚さ(T)/幅(W)]:W ⇒ Enter(確定)。
長方形の線幅を指定 <0.0000>:50 ⇒ Enter(確定)。
一方のコナーを指定 または [面取り(C)/高度(E)/フィレット(F)/厚さ(T)/幅(W)]:任意のa点をクリック指示。
もう一方のコナーを指定 または [サイズ(D)]:任意のb点をクリック指示。
線幅50の長方形、図④-1のD図が、作成されます。
長方形作図に既定値として引きつがれますので、線幅が不要な場合は、線幅を、0にします。
高度(E)、厚さ(T)は、3D作図に使用。